契約のよし悪しは会社のガバナンスによりけり

社内のもめごと

こんにちは。すずめです
本日はクライアントに怒られてしまったのですが、その中で納得したというか
勉強になった事があり、書く事にしました。

最近大きなクライアントとの契約が終了し、別のクライアントから新しい仕事を貰えることとなりました。
社長が取って来た仕事で、現在社長とその取引先がどういう業務をどれくらいの金額で請け負うか。
というところまで進んでいました。

もちろん仕事が一気に減った関係でどこかで売り上げを補填しなければならないのですが、
うちの会社は今まで委託された業務の過酷さに疲弊していました。
なのでここで間髪入れずに新しい業務に移る事は難しく、もっと言うと
大きな契約が終了した時点で一部の正社員は退職。
その為、この業務の責任者は社長が担当していました。
私は総務部長とカフェ事業の兼務をしていた関係で新しく組織を作り直す必要がありました。
ただ社長が担当している業務から目を離しすぎていてトラブルが起きてしまいました。

ある日話が大詰めという事で、最終確認も兼ねて今回の打ち合わせから参加して欲しいと社長から依頼があり飛び入りにはなりますがクライアントとの会議に参加をさせていただきました。
こちらの参加者は社長、パートさん2人、すずめの4人。
向こうの参加者は役員1人、管理職1人、正社員1人、契約社員3人の6人。
話の内容としては今お願いできる業務のリストとその具体的な内容、金額が提示されている状態で
いつから追加の業務がお願いできるのか。という話でした。

もう、受けるの確定なの?今までどういう話をしてたんだっけ?
ってか、なんか業務量多くない・・・?

私が認識している話と違っていた為会議終了後、パートさん2人と社長にそれぞれ疑問に思っている事を確認しに行きました。

パートさん2人には
最近色々ほったらかしにして本当に申し訳ないんだけど、把握したいから教えて欲しいです。
なかなかの業務量だと私は感じたんだけど、何か今回の会議以外で私が知らない情報があるんだったら教えて欲しいです。
見落としていたり、何か私も確認漏れてたり対応しないといけない事があればすぐやりたいんだけど今ってどういう状況ですか?と聞いてみました。

2人からは、とてもじゃないけど対応しきれない。
最近契約が終了した業務を頑張って来れたのは、終わりが見えていたから。
だけど、社長が売り上げの補填をする為に取って来た仕事は
契約先は違うけどやる事は今までと変わらないし、
なんなら私たちがやり取りしているって分からない様に共同アドレスを作って、フルタイムの正社員が対応するという事にして金額を上げようとしている。
結局私たちは今までと変わらずきついままで、担当する業務の幅も量も増えてて更にきつくなってて…もう出来ません。
しかも私達パートなのにこんな契約の内容とか決めて行って大丈夫なんですか。
私たちが良いって言った事を誰も確認してくれなくて不安しかないです。
あと社長は最近会議の前になると直前で電話中だから出れません。とか、他の仕事が入ったので出れません。
と言って私達に丸投げの状態で、会議は訳も分からずいろんなことが進み続けていて…
これってどうなっていくんですか…

もうほんとに申し訳ない気持ちと、何でここに社長はストップしたり会議に参加してくれなかったんだろう。という気持ちでいっぱいでした。
今までパートさん2人で参加をしていて、相手の会社の思うようにはい。としか言えず、
何の決裁権も無く参加させられているのでその場で何も決められず、分からない事は話を持ち帰るしかできません。

2人には申し訳ないという気持ちとほったらかしにした社長に対して怒りの気持ちが湧きました。
しかもこの会議の中で向こうが認識しているこちらのパートの勤務時間はフルタイム。
子供たちのお迎えに行かなければいけない為、15時までの雇用契約なのに…
売上を補填したい気持ちは分かりますが話がむちゃくちゃすぎます。

社長この事を確認したところ、仕事を取るのにはどうしても必要なハッタリ。
じゃあ、お前は仕事取って来いよ!と逆ギレされてしまいました。

ハッタリかますのは良いんだけど、これはハッタリじゃなくて嘘じゃない…?
あと仕事はいくらでも取って来れますが、今仕事取ってきても正社員が一気に退職した今
仕事回す社員がいないんだから採用が先です。
現に社長がクライアントとの対応窓口をしている時点で他の案件を持ってきたとしても対応できる社員がいない事は変わりありません。

大分、社長とケンカをしてしまいました。
ケンカの中で分かった事は
先日終了した売り上げに応じて新しい仕事を確保したい事。
新しい契約によって多少の売上は確保できると思いますが、その金額によっては人員整理を考えている事。
出来るだけ人員は確保したいと思っているけど、時間外の仕事に関しては何とかして給与の支払いを避けようとしている事。
でした。色々思う事はありますが、この会社の最終責任者は社長です。
この意向をパートの2人にも伝えて、2人の意思も確認する事にしました。

今会社は大きな取引先が無くなった関係で、社長が売り上げを補填しようと今回の取引先を持ってきました。
なので今回の取引先との契約も白紙になった時、きっと社長は人員整理を始めるので2人の出勤日数も削られる可能性があります。
もしそれが生活や、保育園の関係で難しければ何か頑張れる方法を一緒に考えたいです。
でももうこれ以上頑張る事が出来ないのであれば一回リセットしたほうが良いと私は思います。
二人の意見を聞きたいんですが、どう思ってますか?

少し、私の意思も入れて伝えてしまいましたが
パートさん2人の回答は即答で後者でした。

時間外の労働があまりにも多すぎるし、社長は時間外の給与を払おうとしない。
私たちはボランティアじゃない。
勉強するのも自分の努力とか言うけど、自分から時間外の会議に参加させておいて給与を支払わないのは許容出来ないです。
自分で判断できる限度も超えていると感じています。
お給料を下げていただいても良いのでお願いですからもうここから外させて欲しいです。
パートなので旦那の扶養の中で働く事も考えますし、有給もたくさん残っているのでこれを機に一旦リセットしてまた頑張る為のお休みが欲しいです。

信じられないです。気づかなくて本当に申し訳なかったのと、やったらだめなことやりすぎです。

次の日クライアントの会議を聞いてどういう風に体制を整えるかの会議を社長が主催したので
参加する事に。
昨日の会議に参加してどう思ったかと、これからどうしていきたいかを話し合いたいという事でした。
答えは決まっていたので、私から話をさせていただきました。

「昨日の会議を聞いて、うちの会社だと受けきれることの出来ない業務の量と質です。
個人情報も多く取り扱いますので、安易なミスは許されない分社内での確認事項が必要ですがその人員も今枯渇しています。恐らく昨日会議に参加したメンバーがメインメンバーになると思いますが、あいにく私がカフェと総務に付きっ切りになるのでこの業務がスタートした時に業務を把握しておくことが出来ません。しかも今決算報告書を税理士と作成中ですのでなおさらです。
あと他のパートさん2人に関してもですが、子供を保育園に預けているのでここのメインメンバーにしておくことは辞めてください。正社員を最低でも2人雇っていただかないとこの案件は受けられないです。現に社長はクライアントにこの2人をフルタイムとうそをついて契約しようとしていますよね?正社員が2人必要とクライアントに言っておきながら何でうちには採用してくれないんですか?
もう2人に嘘をつかせるのは辞めてください。あと、うちの会社は最近業務委託契約が終了して本当にほっとしています。限られた人材の中でギリギリでやり切りました。一旦休ませてください。これが普通だと思わないでください。この案件昨日の会議を見て受けるのは無理です。」

社長が怒っているのが分かります。
きっと折角取って来た案件を台無しにされて、嫌なんです。
でもここで止まらないと、これから売り上げを作ってくれる社員を手放すことになります。
社長は

「そうだよね、お金をくれないクライアントが悪いよね。みんな、僕が今から電話でクライアントにガツンと言うからこのままマイクミュートにして聞いてて」

・・・どうした?
社長はパソコンで私達と繋ぎながら電話を掛け始めます。

「お世話になっております。今回の契約の件ですがやはり御社から提示されている金額が少なすぎます。チェックする項目も多いですし、フルタイムの人間を2人新たに雇う必要があるので金額を上げていただきたいです!個人情報を取り扱う業務もありますので、うちが抱えるリスクが大きいと思いますので具体的には○○円程頂きたいと思っています。」

完全にノープランで電話をした模様です。
クライアントは鼻で笑い話し始めます。

「申し訳ないのですが、○○円の金額の根拠を教えていただきたいです。それが無いのに提示していただいた金額をそのままお支払いする事はまず出来ませんし、御社へお願いしている業務は他の委託先様へも発注しています。なのでできるだけ同じ金額での発注をさせていただきたいですし、それよりも高い金額をご要望でしたら私達も他の会社様へ発注をさせていただきたいと思います。
それと抱えるリスクは御社のガバナンスの問題じゃないですか?そこをうちが御社にリスクを無理やり取らせていると言われると不本意です。
まず、○○さんが出来るだけ多くの仕事を請け負いたいという話から弊社で委託しても問題無い業務を精査して、提案しています。その上で明らかに安い金額を提示しているわけではなく、適切な金額を提示していると認識しています。
もしこの金額でご納得いかなければ、このお話をお断りする事をしていただいても構いません。私達も他の会社にお願いするだけですから。
どこまで出来るのか、どうしたら自身の会社が出来るのかは○○さんが決めていただく事で私たちが立ち入れる事ではありません。ご自身で決めてください」

社長は分かりました。自社で検討して改めてご連絡差し上げます。
とだけ言って電話は切られました。
私たちは今何を聞かされていたのでしょうか。社長、相当焦っているんでしょうね。

社長が電話を切って、改めてみんなどうする?
と聞かれましたが私達も先ほど自分たちの意見は伝えたので、こればっかりは社長に決めていただきたい事でした。
改めてうちの今の会社のリソースでは無理ですよ。と伝えて会議は終わりました。

私も色々と考えさせられるやり取りでした。
そうなんです。個人情報を取り扱う業者は探せば幾らでも存在しますし、そこをリスクが発生するからその分のお金をください。となると相手先は既存の会社に業務を寄せようとします。
発注してくれた業務は私達の会社にどうしてもお願いしないいけない理由はありませんし、今提示されている金額かは分かりませんが実際に業務を請け負っている会社の存在は
私も社長も知っています。
なのでこの金額で出来ないという事は、私たちはそれだけのクオリティでしか納品が出来ない。という事なんだと思います。
もしこの金額で納品が出来なければ自分で他の仕事を探すか、提示された金額で請け負うか、こちらが十分な仕事が出来るような金額を根拠資料と一緒に提示して交渉していくか。
ここを私や社長が決めなければいけないんだと改めて、教えていただいたと感じました。

社長は、一体何を思っていたのでしょうか。
この先この契約は白紙になってしまうのでしょうか。
他に何か方法はあるのでしょうか。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。




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